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わくわく♪カルテットのアウトリーチ(アウトリーチフォーラム高知その1) [弦楽器アンサンブル]

アウトリーチフォーラムは合宿制で室内楽のアウトリーチプログラムを作っていくプログラムである。集まった各グループは音楽で何を伝えたいかということから始まって、曲に何を託すか、その表現方法、コミュニケーション方法などを話し合いながら辿って行き、ランスルーで実際にやってみる。すると頭でできていたことがなかなかできないことに気がつく(音楽の演奏と同じである)。そして、実際に学校に行ってやってみる中から、その手法を完成させていく、ということになる。
初めの学校には少し申し訳ない気もする。でも、こういうことは学校の先生にとってみれば教育の一環としてはよくわかるはず、という甘えもすこしあるのだけれど、不思議なことに最初の学校での緊張感は思いのほか子供たちにも伝わっていいアウトリーチができたりするのだ。
室内楽であることは奏者が話し合って(自分で言葉に出して)作らないといけないので、演奏家にとってもコーディネートする側にとっても、頭の中では解決できない、という良さがある。個人プレーが効かないのである。その分コーディネート側も中身に踏み込むことができ、こちらの考え方も的確に伝えることができるところに意味があるのである。こういう事業をコーディネートする人を育てるには、まず演奏家と音楽をよく知ってもらうだけでなく、それを意図的に(言葉で)本人の中に(言葉で)取り込むことも重要なのである。演奏家がソリストだとなかなか内面に踏み込めないのだけれど、室内楽は個人プレーではないところがいいのだ。
みんなが作るプログラムは、下手に知っている曲や流行歌に逃げることなく、正攻法でクラシック音楽を聴いてもらおうとするのが気持ちいい。所詮クラシックの演奏家はクラシックをやって人に訴えるしかないのだから。要するに、その方法論を持たない人たちが、子供が知っている曲に逃げているような気もするのだ。楽だからね。
こういう研修を、いろいろな立場の演奏家に、そして各地でできるといいのだけれど・・・。

高知では3組の室内楽で行った。高知市内の合宿の後、それぞれに分かれて県内6市町で(2市町づつ)アウトリーチとコンサートを行う長丁場の企画。今回は合宿にしか顔を出せないので残念。
少しずつ紹介する。まず弦楽四重奏から。
非常によくしゃべれるチェロの向井君がこのグループの特徴だけれど、それに頼らないほうが構成はきちんとできるはず。この回は向井君がだんまりで通すというなかなか思い切ったプラン。構成感はきちんと出たと思うけれど、あのしゃべりがない寂しさもちょっとあるかな・・

第6小SQ1.jpg

2009年1月20日
高知市 第6小学校 6年生
わくわく♪カルテット(高瀬真由子、栗山奈津、金井ゆみ、向井航)

入場
M1 アンパンマンのマーチ
栗山 こんにちは(こんにちは)わくわくカルテットです
まずメンバーを紹介する。高瀬真由子、まゆっぺです。金井ゆみ、金井っぺです。向井航、わっくんです。私か栗山奈津、なちゃんです。
ニックネームを確認するね。高瀬さんは(まゆっぺ)金井さんは(かないっぺ)向井君は(わっちゃん、わっくん)、私は(なっちゃん)
初めに弾いたのはアンパンマンのマーチ。高知に来てみたら電車にもアンパンマンが貼ってあったりして弾くことにしました。みんなこの楽器は知っていますか
今日は少し詳しく話をしていきたい。この楽器たちには色々な仲間がある(弦?)そう弦楽器。なんで?(弦)そう弦が張ってある。たたくのは打楽器、息を入れて鳴らすのは管楽器
弦楽器は何で出来てる(木)そう<みんなに見せる>ほとんどが木でできている。この弦は羊の腸で作る。こっちの弓の白いところは(馬のしっぽ)
はずすとこんな風になる。
音を聞いてみよう。まずヴァイオリン(弾く)高い音スターのような速い動きをしてます
次はヴィオラ。ヴァイオリンよりも少し大きい。大きくなるとどんな音?(低い)そう低く太い音になる。聞いてみよう<弾く>
次はチェロ、チェロはこんなに大きいのでこの棒、エンドピンを使って支えて弾きます。持ち歩くときは中に入れる、ということは、中は空っぽ。弾いてもらおう<ピチカートを弾く>弓で弾く弾き方と指ではじく弾き方がある。はじくのをピチカートという。由美で弾くのはアルコ。
高瀬 クァルテットというのは4人という意味弦楽四重奏と書くのだけれどカルテットはイタリア語。4つの楽器で響きを作っていきます。
4つの楽器はそれぞれ役割がある。1stヴァイオリンは高い音、華やかなメロディ。セカンドヴァイオリンはメロディも弾くけれど少し低い音を弾く。Dから第1ヴァイオリンは華やかになれる。チェロは支える役目。ヴィオラは微妙な存在だけれどこの人がいないと厚みが出ない。取りもちのような役目をしている。
次にこの曲を聴いてもらって誰の曲か考えてみて・・
M2 アイネ・クライネ・ナハトムジーク 第3楽章
知ってた?学校で流れている(給食)だれが書いたか知ってるかな(ベートーヴェン?)モーツアルトです。アイネクライネナハトムジークという曲の第3楽章。
そんまモーツアルトの書いた曲をこれから弾こうと思う。モーツアルトはオーケストラとかピアノとかいろいろな音楽をたくさん書いている。
そのモーツアルトがある人から曲を書いてほしいと頼まれた。頼んだのは今のドイツ、プロシアの王様。その時王さまは一つの注文をつけた。それはチェロが活躍する曲にしてほしい。実は王さまはチェロを弾いていたので、チェロが目立つ曲を書いてもらいたかった。
この曲は4つの楽章がありそれぞれの場面がある。4人でイメージしながら弾くのだけれど、今回も相談してあるイメージを作りました。
始まりは第1楽章。まずは相談します。どこに行こうか・・・。それがチューニング、調弦と言います。音を合わせて気持ちも合わせる。では相談はまとまりましたね。
M3 モーツアルト:弦楽四重奏曲第20番K575 第1楽章
どんな遊びをイメージしてたかな。いっぱい遊んで遊び疲れてしまった。横になって、空を見あげたりしてやすむ
M4 モーツアルト:弦楽四重奏曲第20番K575 第2楽章
元気になってまた遊び始める。今度は追いおかけっこやかくれんぼをする。そこで注目してもらいたいのはさっき王様が注文したこと。思い出してほしい。チェロはここで活躍する。
M5 モーツアルト:弦楽四重奏曲第20番K575 第3楽章
ついに最後の曲。第4楽章。ここは遊んでいると、あっちからもこっちからもみんなが集まってきて、最後はお祭りのようになる。
ここでワンポイント注意してほしいのは、ここでボールをパスします。このメロディを覚えておいて<ヴィオラ弾く>このメロディがたくさん出てくる。ヴァイオリン、チェロ、微妙なヴィオラにそれぞれ出てくるので探しながら聴いてください。
M6 モーツアルト:弦楽四重奏曲第20番K575 第4楽章

終了



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