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米澤浩さんと熊澤栄利子さん 尺八と箏の模擬 [打楽器、邦楽そのほか]

いわき市の先生は毎年この時期に音楽部会の研修会をやっている。そこにアリオスで行うアウトリーチの演奏家に来てもらって、私たちの考えているアウトリーチを模擬的に体験してもらうと言うことをおこなっている。昨年はできなかったので今回で3回目。
今回は先生の要望もあり邦楽を紹介することになった。こういうことにかけては一番考えているだろうし経験も豊かと言うことで米澤さんに願いした。米澤さんの進行はさすがで、一種模範演奏のような整然とした内容。楽器の説明と体験を入れるといくら短くしても70分と言うことで今回はそれは無しの進行になった。邦楽=体験のような感じから一歩脱したアウトリーチだったので先生にも刺激になったかもしれない(期待)。


2012年7月27日  13:30-1415
いわき市 音楽部会研修会
米澤浩(尺八) 熊澤栄利子(箏)
  ※音楽の先生の研修会に、毎年アウトリーチの演奏家を派遣して体験して頂きます。来年にもう一度学校のために呼ぶ計画。今回は部会長の希望もあって邦楽。

IMG_0120.jpg
入場
M1 ジブリメロディメドレー
平第1小学校6年生の皆さんこんにちは。今日はお箏と尺八の音楽を聴いていただきます。
いまのはジブリのメロディによるメドレーでした。でも尺八って生で聴いたことある人は?(2名)。今日はよい機会なのでいろいろな曲をやっていきたい。
みんな少し前にでましょう。学校でもこのくらいまで近づいてもらいます
ここで箏の話を,この紙を見てください<バッハ、ヘンデル>。この二人は同じ年に同じ国で生まれました。この生まれた年が問題。この音楽の父と母と言われている人ですね。その同じ年、日本で箏という楽器のためにたくさんの作品を残して死んでしまった人がいる。八橋検校。いわき生まれの大天才がこの箏という楽器を一人前の楽器に育て上げた。彼は京都で大活躍、箏の音だけで1つの世界をつくる独奏曲をかいた。六段の調べ。それを聴いてもらおうと思います
いま前に出てもらったのは、箏は右手で爪で弾くだけではなく、左手で何をしているかをみんなの目で確かめてもらいたいから。良く、確かめてください。
M2 八橋検校:六段の調べ
左手で何をやっていましたか? 押し込むことで音を変える。それだけではなく、最初の部分でひき色と言う演奏法をしていた。もう一回聴いて<最初のみ演奏>微妙な変化、わかりますね。そのようないろいろな方法をまとめてソロの曲にした。
では箏がそのように進歩をしていた時代、尺八はどうしていたか。当時はお坊さんが吹いていた。日本に入ってきたのが800年くらい前の鎌倉時代。中国に仏教の修行で中国に留学した人が持ち帰ってきたなかに尺八もあった。そのあと700年間尺八はお坊さんしか吹いていなかった。お坊さんがお経を読む代わりに修行のために吹く。山の中で修行をしていると、鹿が呼び交わす声を聴いて、鹿でさえ仲間を求める、人間はもっと大事にしないといけない、という人間愛を盛りこんだ曲。鹿の声を聞いたことある?身体は大きいけれど声は小さい。キュンキュン、ピーと鳴く。それをまねして盛りこんだ曲。どこで鹿の鳴き声が聞こえるか聴いてください
M3 鹿の遠音
鳴いたのがわかったでしょうか?キュンキュン。では犬はなんと鳴く?(わんわん)猫は?(ニャーニャー)。このように動物の音を言葉にするのを「オノマトベ」という。擬音語,擬態語のオノマトベは日本の言葉には非常に多い。外国に行くと犬(バウワウ)とか少しは出て来るけれどあんまり多くない。じゃあ、二人が歩いていて一人はすたすた、もう一人はとぼとぼ、とかすたすたとよちよちとかで、日本語だとその状況すらわかる、川の流れも,ちょろちょろからサラサラ、ザーザー、ゴーゴーと景色までわかる。
日本の東京のもっと向こう、名古屋、大阪のもっとさきの瀬戸内海の砂浜にたっていると思いましょう。波の砕ける音がする「ざぶん」「ざわー」というイメージを自分の得意な楽器で表現したいと思った人がいる。それを箏で表した。<冒頭>
聴いたことある人(全員)正月に聴いた?。宮城道雄さんは正月のために書いたわけではない。日本の豊かで美しい自然を描こうといてこの曲を書いた。波の音と、そこで生き生きと仕事する漁師さんの姿を描いたといわれている。日本のオノマトベで表されるような豊かな自然だとおもって聴いてください。
M4 春の海
お坊さんが700年吹いていた尺八が一般に弾けるようになったのは100年前くらい。それならば自分も書こうかという作曲家が現れてきた。最後に現代の音楽。双魚譜。魚座のタイトルがついたけれど魚座にまつわる神話を知っている人? 
魚座は二人の神様がいる。昔オリンポスに住んでいる神様がナイル川で宴会を開く。そこに怪物が表れる。みんな逃げたが二人の女性の神様は魚になってにげた。しかし離ればなれにならないようにリボンで尾っぽを結んだ。それを見ていたゼウスが面白いと星にしようとした。この二人はビーナスとキューピット。吉松隆という人がそのはなしから双魚譜という曲を書いた。現代の尺八と箏の音楽です。
M5 双魚譜 第4楽章

ここで学校ではお礼の言葉とかがある。綿sたちも活きた感想が聴けるのは嬉しい。楽しんでくれたお礼と願いを込めて一曲弾きたいと思う。
人生では楽器が自分に近づいてくる瞬間がある。そのときに手を伸ばしてみると、そこに自分の楽器になることがある。それが日本の楽器だと良いな、と言う願い。アンコールにはさくらパラフレーズという曲。知っているさくらが何曲出てくるでしょうか?
Mアンコール  さくらパラフレーズ
終了

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