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今野尚美さんの長崎深堀小学校 [ピアノ]

これで、この欄の投稿も200回になる。概ね200のアウトリーチの進行データを出したことになる。今年に入ってデータ化できていないものがいくつも残っているが、まあ良く書いたものだ。
前の休み時間に興味深げにのぞきに来た子供たちを上手く巻き込んで、情報収集と準備をしてしまうなどなかなか見事なものである。中学校でのとっさの変更とか組み立ては見事だし、ホワイトボードも上手く使って進めていた。

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2011年5月31日 
今野尚美(ピアノ) 
長崎市深堀小学校 3年生

先生挨拶~呼び込み
M1 幻想即興曲
深堀小学校3年生の皆さんこんにちは。(こんにちは)わ、元気なあいさつで嬉しいです。私は今野尚美と云います。今日、飛行機で来て、長崎は初めてではなく、旅行できたことがある。美味しいものがあるしとても良い場所ですね。
みんなは花が好き?(はい)今の曲はショパンという200年前に生まれたあっ極化のこんな題名の曲(ホワイトボードに書く)。幻想即興曲、幻想という意味はファンタジー。物語を頭の中で考えたり作ったりする。即興というのはその場で作る、心に思い浮かんだことをそのまま音にした。どんなだろう?先ほどのドキン、それを即興曲にしてみてみんなが私西で表現して。みんな立って・・・
M2 ドキンと即興
音楽がつくといろいろな感じがした?(うん)
では次の曲、この題名を当ててください。昆虫が出てくる。グリークが作った曲。飛んでる様子とかを表している
M3 蝶々(グリーク)
わかった?(チョウチョ)何でそう思ったかな(最後に蜜を吸った)私もね、ひらひらとかをどのように演奏しようかと考えながら弾いていた。次はリムスキーコルサコフという人が曲を聴いてみよう。ちょっと早い、どんな昆虫かな
M4 熊蜂の飛行
何?(バッタ、アリ、蜂)ただの蜂?(ミツバチ、スズメバチ、熊ん蜂)これは熊ん蜂の弾こうという曲でした。ぶーんというおとがするとき、こんな感じで白黒の鍵盤を全部弾きます。
ではもう一曲。何の動物? ショパンの曲。みんなの家にもいるかも。   のワルツ。(子犬)ショパンは犬を飼って他。自分の尾っぽを追いかけてくるくる回っている感じに見える。
M5 子犬のワルツ
では次は動物ではなく人の様子を表している曲。まず弾いてみる。二人の人が出てくる<弾く>(悪魔泥棒、盗賊、ドラキュラ、怖い人、強盗)。次の人は<弾く>(良い人、天使)
この曲はムゾルグスキーというロシアの人が絵を見て作った。一人はサミュエル・ゴールデンベルク、もう一人はシミュイレ。お金持ちが威張っている、ずるくて、起こっている感じ。もう一人はやせ細ってぼろを着てひもじい感じ。最後に二人が争っている。
M6 サミュエル・ゴールデンベルクとシミィイレ
どうだったかな?(サミュエルが勝ったみたい)。そんな絵を表していた。
次はリスト。リストはショパンの友達だった。今年リストは生まれて200年になる。
これは気持ちを表している。どんな気持ちがあるかな<書く>嬉しい、哀しい、きれい、寂しい、懐かしい、愛しい
気持ちを考えながら次の曲を聴いて欲しい
M6 愛の夢第3番
さあ、嬉しい曲だと思った人?(多)悲しい(少)寂しい(2)懐かしい(多)愛しい(10)いろいろなところがあった。曲目は愛の夢、みんなが色々と感じた気持ちが入っていたと思う。
もう一曲座って聴いて欲しい。私は小さい頃ピアニストになろうとは思っていなかった。家を手伝ったり、畑の中を走り回っていた田舎の子だった。絵も好きで楽器に色をぬったこともあった。60色の色鉛筆を持っていて、宝物だった。それが嬉しくていろいろなものに勝手に色を塗って遊んでいた。次の曲はどんな色か想像してみてください
M7 火祭りの踊り
どうでした? (黒、紫、茶、赤)  いろいろな色があって良い。火祭りの明かり。日の色は何とも言えないいろいろな色が混じっている。
ピアノってどこで弾く?(指)。でも指だけでなく身体全部を使っているんだよね。ちょっと立ってみて。熊蜂は指の先。けんかをしているときは腰から弾く。
じゃあ、バンザイしてみて。一番先に曲がるところは?そうそう、曲がるところ、第一関節、これが弱い曲、次に曲がるのは手首でコレを使って弾くとこういう音<愛の夢>。次に肘、肘を使うと豊かな音がする<>。次は腰、越して引くととても強い音がでる<>
さて、最後にみんなとトルコ行進曲をやってみたい。みんなは手拍子で参加してください。次のところが来たら立って手拍子ね<弾く>トルコ行進曲はマーチです。
他の部分では座る。そんな風にやってみます。ここでは<弾く>座る。ここは<弾く>立つ。3回くらいあります。だんだんと盛り上げていってください。ぶり行くホールにいたことある?(演奏しに行った)そのブリックの色摩さんが前で太鼓をたたいて見本になります
M8 トルコ行進曲
ありがとうございました。如何でしたか?(たのしかった)

先生 すごかったね
ではお礼の言葉
では最後にお別れの曲を。今日玄関を入った風通しの良いところに、先生のこんな子どもに育って欲しい、と言うことが書いてあって、その中に夢という言葉を見つけました。
みんなも目を閉じて、大きくなったら何かになりたいな、と言う夢をおもいながら聴いてください
M  トロイメライ

先生 どうだった?
子供 すごかった、
先生 幸せな気持ちになってない?
子供 なってる
先生 いまならけんかとかしないよね(うなづく)
   家に帰ってからも家の人に感動を伝えてください
※ 今野さん、低学年に強いかも・・・

今野尚美さんのピアノソロ(中学校) [ピアノ]

遅れていて申し訳ないけれど、これは5月の末にやった今野尚美さんの長崎市内でのアウトリーチ。

今野尚美さんという人はとても勘が良いのだろうと思う。なんか自然に子供が引き込まれていくような雰囲気を最初から持っている人である。それに子供への接し方が実に上手いし賢い。今は上野学園で教えているけれども、きっと良い先生だろうだろうなあ。
長崎には初登場である。この前日に小学3年生をやっているのだが(それもいずれアップする)、これも見事だったし、中学生にも同じようなネタ(曲目)からここまでいろんなレールを作れるのはなかなかのものである。恐れ入りました。

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2011年6月1日 
今野尚美(ピアノ) 
長崎市橘中学校 3年生

先生挨拶
生徒 初めのあいさつ
橘中学校の皆さんこんにちは(こんにちは)私は今野尚美といいます。昨日東京からやってきました。私は三重県で育って高校までずっと三重県にいました。その後ロンドンでピアノの勉強をしてきました。今日は弾きながら私の中学校時代はどうだったか・・そんなことを話しながら進めたいと思います。
良い景色の場所ですね。イギリスにもこんな景色がある。島国なので    
この海の景色を思い浮かべてローズマリーを弾きます。海の向こうに島とかがあって、ローズマリーという良い香りのする花が、向こう岸に咲き乱れている。それが海の雫のように見える・・・という曲。
M1 ローズマリー
おだやかで、イギリスの風景を思い出して弾かせて貰った。中学3年のころはいろいろなことを悩んでいて、留学なんて何も考えて居なかった.その中3の頃に習っていた曲。その頃はロックとかもやっていてクラシックにはそれほど一生懸命ではなかった。
でもピアノは言葉では言えないような気持ちも音なら表現できるかも・・・と思った曲です。
M2 幻想即興曲
音楽って良いな、やって行きたいな、と思って、たまたま奨学金の募集があって応募してラッキーにも受かった。
チャンスの神様って知ってる? クロアチアという国を旅していたときに、知らないおばあちゃんに教会に連れていかれて「チャンスの神様って知ってる?」といわれて、チャンスの神様は前髪しかない、足が速いので前髪をつかまないといけないって言われた。
18歳の時は、そんなことかもしれない。言葉でなく音でと思ったとき、イギリスの先生が、Pianoって漢字では弾く、弾むとかくけれど、英語ではplay the paino 遊ぶ、ゲームをすると言う意味。Perform ともいうこれはパフォーマンス。演じる、演奏するのは演じることだ。それにplayはprayだよ。祈るというのと似ている。台詞ではなく何かを演じることだよ、と教わった。
Balladはお話のこと。ショパンは音の詩人とか云われているけれど、音で物語を書いた。どんな詩?
  ある国のある村の深い森の中に湖があった。水の精が住んでいた。そこに若い青年がやってきてお互いに一目惚れをして、青年は愛を誓う。
でも、青年はまた違うすてきな女性に出会う。でもその女性は水の精が化けていたのだった。しかし、セインはまた彼女を好きになってしまう。
水の精が居る<弾く>青年がやってくる<弾く>。最後は怒って水にひきこんで殺してしまう<弾く> 怖いんですよ。水の精がどんな形で終わるか
M3 ショパン:バラード第3番
長い曲でしたけれど良く聴いてくださいました。バラードは4曲ある.ショパンが友人の詩人の詩がついているので調べると良いかも。
次はリスト。この二人は知り合いだった。リストは今年生まれて200年。ショパンが20才前にポ―ランドを出て、パリに移り住んだときにリストがそれを助けた。リストはとてももてた。イケメンで今の人気タレントのようなスーパースターの存在だった。この曲は元々は歌曲。あなたが愛しうる限り愛しなさい。いずれは墓の前に行くかもしれない、今は愛しなさい。
そんな気持ちを聴いてください。
M4 愛の夢第3番
次の曲はオーケストラの曲。いろいろな音、大人数で弾くものをピアノは一台で出来てしまう。ピアノは弦も張ってあるし、打つのもある、いろいろな音が出せるので何十人分も楽しいと思う。
火がめらめらと燃えてる。太鼓の様子のトレモロとかが出てくるので聞いて見てくれると良いなあと思います
M5 火祭りの踊り
最後にみんなで合奏してお終いにしようと思う。即席で、出して貰う音は、メロディ、リズム、和音、3つの要素で音楽になる。先に色摩さんにちょっと手伝って貰う。ヴァイオリンでラの音だけを出して貰って即興でやってみる。<共演してみる>
ラの音は赤ん坊が生まれて初めて出す音だと云われているし、日本語ではイロハのい、イタリア語でもABCのAの音。オケのチューニングもAの音でやる。らの音はすべての始まりということになる。ではやってみます。
M6 ラの音とピアノの即興

終了

中川賢一ピアノソロのアウトリーチ [ピアノ]

一ヶ月ぶりの更新。1月は実は10件強のアウトリーチがあってそれらのメモも残っているのだけれどなかなか文章化できない。強のステージラボの中川君のは良くできているので優先して載せる。他のも順々にのつもり(2,3月は少ないので・・・)

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2011年2月2日(水) 10:40-11:35
中川賢一  奈良市椿井小学校 5年生

先生の話し~拍手
演奏家入場
M1 ムソルグスキー:プロムナード
椿井小学校5年生の皆さん、おはようございます
今の曲、聞いたことある人(全員)どこで聞いたかな?、テレビとか映画とかで聞いたことがあると思います。ムソルグスキーの展覧会の絵という組曲、組曲は小さな曲がたくさんある。ムソルグスキー、言ってみよう。<白鳥の湖の一節を引く>これは知ってる?チャイコフスキー、大体同じころの人。
次にドビュッシー、これも言ってみようか(ドビュッシー)彼が作ったアラベスクと言う曲。アラビア風という意味だけれど、100年くらい前にはアラビア風というのは、今蛇が壷から出てくるような感じではなくて、絨毯,カーペットのモコモコとした模様の感じを曲にした。では自分の聞きたい場所で聞いて良いよ。そばでもどこでも良い(子供動く)
M2 ドビュッシー:アラベスク
聞いたことある人?(少し)お、習ってたかな?
次は同じ人の書いた月の光、池があって水に月の形が写っている。風が吹くとどうなら?(ゆれる)そう揺れる。それでまた風がおさまる。と言うような様子をイメージする。夜だからちょっと暗くしてやってみようか。<カーテンを閉め、明かりを消して、ピアノに照明>では、目をつぶって聞いてみよう。
M3 ドビュッシー:月の光
クラシックは,静かなところが好き。みんなと一緒にその中にいると嬉しい。そのように宇一緒に作っていくものだと思う。
ではみんな戻って、次にピアノの話をしたい。
そのためにある物を持ってきた・・・
 <カットモデル(シーソー、てこの原理)→調律さんが鍵盤を弾き出す→机においてみる>
ではみんなそばに来てハンマーを触ってみよう
<ハンマーが上がるのを感じる> 鍵盤を戻す
では次にピアノのそばによって、この弦をたたく<マレット使用>と音が出る。弦が振動しているのを感じてみよう。弦の端の方にそっと指を置いて・・<たたく>(おお)
ピンポン玉でやってみる。
この弦の振動がこの木、これは駒という,これに伝わって下の板響板に伝わる。響板はどう言う役割をするか<マレットでたたく>。ではこれはなに?(オルゴール)そう、これで実験する。でも、ピアノのいろいろな場所に付けてみる。小さいけれどなっている。だからピアノはその全体から音が出ている。
ではここで、激しい曲を一曲弾く。プロコフィエフのピアノソナタ第7番。なんか難しそうだね.でも名前くらい覚えよう。プロコフィエフ(プロコフィアフ)では、ピアノのいろいろなところに触って響を感じながら聞いてください。
M4 プロコフィエフ:戦争ソナタ
では、ピンポン玉をたくさん入れてみる。<ピンポン玉200個を弦ではじかせる>
今度はみんなと一緒に作りたいと思って5人の人に宿題で絵を書いて貰った。<5枚の絵を描いた人を前に出す>では、笛を吹いたら最初の人が絵をあげる、次に吹いたら交代。<絵の練習>では、この絵を楽譜だと思って演奏したい。後ろに並んでやってみよう。
M5 絵を見ながら即興
構造を知って遊んで、一緒に作ってきた。最後に一緒に聞いて一緒に作る、ことをさっきの展覧会の絵の最後の曲「キエフの大門」でやりたい。ムソルグスキーは寂しい人で、オペラを書いたらそれが皇帝をやっつけるという話だったために友達がいなくなってしまった。その中で絵描きのハルトマンだけが判ってくれていたのだけれど、彼が病気で死んでしまった。そのあと、ハルトマンの展覧会が開かれた。彼はその絵を見て20日間で40分のこの曲を書いた。このキエフの門は、設計図もあったのだけれど結局採用されず無念の思いがあった。その絵だけが残されている。こういうように「想いで」は重要。
では、この曲も好きなところに来て聞いて・・・
M6 ムソルグスキー:キエフの大門

感想、質問
終了

高橋多佳子 ショパンの人生 [ピアノ]

高橋多佳子さんのアウトリーチはある意味で正統的。今回はオールショパンでポーランド留学から追求している彼女の十八番である。話す材料はたくさん持っている。逆にだからこそどのような組み立てそするかが重要な要素である。それが出来ているので、相手は子どもでも大人でも同じテーマで話し方や説明方法、用語を変えるだけで内容を変えなくてもいける、と言うところがあるように思う。それも簡単なわけではないけれどね。
今回は3、4年生ということで用語で少し苦労したところがあるが、意欲はストレートに伝わってきていた。こういうものをきちんと提供することはきわめて大事だ。私とかが教えられるのはどうしても小手先の技術になってしまうので(それも大事だけれど)それを超えたものを目指すのでなければ、何のためにやっているのかわからない。
本来クラシック音楽はそれ自体に大きな能力を持っているのだ。
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2010年11月30日(火) 14:00-15:00
高橋多佳子
北九州市花房小学校 3,4年生 68名

入場
M1 エオリアンハープ
花房小学校の皆さんこんにちは(こんにちは)
すごい元気ですね.ありがとう。みんなに会うのを楽しみに来ました。1時間の短い時間だけれどピアノや音楽のすばらしさを感じて貰えれば嬉しい。よろしくお願いします(よろしくお願いします)
今の曲はショパンという人の曲。後ろにある。左から6番目。今日はショパンの人生を振り返りながら音楽とお話で進めたい。
今年はショパンの記念の年。1800年生まれ。何歳かな(200歳)そう、今年は生誕200年で記念落としになるので世界中でショパンのコンサートが行われている。
ショパンが生まれたのはポーランド。ここに地図があるけれど場所がわかる人?(数人。一人が地図のところに行って指す)すごーい。何でわかる?(地図がすき)
ここがポーランド。北海道と同じくらい寒い。冬はマイナス20度にもなる。
ショパンという名前は、お父さんがフランス人だったのでフランスの名前。彼の人生も良いときも悲しいときもあった.それを振り返ろう。
3歳でピアノをお姉さんに習い始めた。6歳の時に本格的に先生についた。おじいさんだけれどとても良い先生だった。7歳の時にはじめて作曲をした。11歳の時には大好きな先生に誕生日のプレゼントとして曲をプレゼントした。ポロネーズという。ポーランドの踊りを元にした曲。
M2 ポロネーズ(短縮)
かわいい曲だけれど、小学5年生くらいとは思えない曲ですね。中学生くらいになるといつも面白い事を言ってみんなを笑わせていたらしい。そういう人っているでしょう?。物まねが上手で、漫画を書くのがうまかった。落書きしたノートがプーランドでは展示されている。
18歳くらいになってワルシャワ音楽院に入学して本格的にピアノや作曲を勉強した。上手だったのでポーランドでも知らない人は居ないくらいになった。15歳の時には曲が出版されていた。
有り余る才能を外国で知ってもらい活躍したいと考えるようになった。その当時はポーランドは強い国に支配されていて、ロシアが半分、オーストリアが南の方、ドイツはプロイセンと言ったけれどこれが西の方を支配していた。何で、ポーランドという国は地図の上にはなくてみんなはつらい思いをしていた。それで国のみんなが支配に対して革命という戦争をしようと思っていた。20歳の時に外国に出ることにしてまずウイーンに行った.その途中で戦争が始まったというニュースが入ってきた。ショパンはすぐにも戻ろうとしたが、同行していた友人がショパンを必死に止めて「あなたは音楽でポーランドという国を世界中に知らせて欲しい」と説得した。友人は国に戻ったがショパンはウイーンに向かった。しかしウイーンはポーランド人に冷たかった。一種の人種差別でポーランド人がうまい演奏が出来るはずがない、と言われた。
寂しさのあ手複雑な曲。ノクターン。ショパンはいろいろな感情をピアノで表した人だった。いろいろな思いが入っている
M3 ノクターン第3番
彼のピアノには本当にいろいろな想いが入っていると弾くたびに感じる。ショパンはウイーンをあきらめてお父さんの国のパリに向かう。その途中で悲しい知らせを受け取る。それは革命が失敗しに終わったという知らせ。ショパンは狂ったように哀しみにうちひしがれ、怒りを感じた「ああ紙よ、あなたは何故ロシアに味方するのか、あなたはロシア人か」という走り書きが打ち震える手で書かれている。
そのときに書かれたともいわれる曲
M4 革命ポロネーズ
この曲にはすごい怒りのようなものを感じませんか?(かんじる)。
ショパンは心に傷を持って約1ヶ月かけてパリに行った。
その頃は何で移動していたかわかる?(馬車)相場者。メンデルスゾーンは30キロの汽車に乗ったときに「気の狂うくらいの早さ」と言っている。パリに着いたときは21歳になっていた。彼はフランスで才能を開花させるのだけれど、その前にピアノについてお話をしたい。
【ピアノの構造の説明】
  木の枠~中にハープのようなものが入っている<弾く>~鍵盤を弾く。88鍵。練習が必要~鍵盤を押すとハンマーが上がってたたく~弦はひとつの音に3本~3つのペダルの役割。代表者による「わっ!」。
さて、ショパンにもどろう。パリで演奏会を開いて大成功した。フランス人は進歩的でポーランドを応援していたこともあって大歓迎された。その上パリにはいろいろな芸術家がたくさん居たので刺激も得られた。お金が無くなったとき偶然会ったポーランドの貴族からの紹介で社交界に出入りするようになる。そこで弾くとイケメンでおしゃれでピアノがうまい彼は人気者になり、貴族の奥様たちがみんな習いたいと言うことになり経済tげきにも安定した。その頃作ったワルツの楽譜は大ヒットとなってパリでは誰知らぬ人のないようになった。その出世作のワルツを弾く
M5 ワルツ 第1番
23歳になっていた。26歳くらいの時にある人と恋人になった。それがジョルジュ・サンドという人。作家です。彼女の作品は日本でも買える人気作家だった人。人気者同士と言うことでパリ中で大騒ぎになり、それでパリを離れてマヨルカ島に行くことになった。当時ショパンは結核で暖かいところが良いということもあった。地中海の小さな島は寒いところで育ったショパンにとっては吃驚した。空の色、緑、家の白さとか新鮮だったので「天国のようだ」と書いた手紙が残っている。しかし、雨期になると寒さと湿気がおそってきた。結核には寒さと湿気がいけない。悪くなって死んでしまうかもという感じになった。その上島の人が結核を恐れて去るように言われたのでサンドは山の上の修道院に移った。そこで作ったのが24の前奏曲という曲で、その中で雨だれという曲がある。美しい曲だけれど恐ろしい感じもある。死に神が来る感じ。途中で鐘が鳴る。この音<弾く>が雨だれの音のように聞こえてくる
M6 雨だれ
マヨルカ島から帰ることになり、途中で良い医者に出会ってそのすすめでサンドの実家のあるノアーンという町に行く。パリより南で少し暖かい。そこではサンドの献身的な看病もあって体調もよくなり、その後の7年間のショパンの作品は良い曲がたくさんある。そして力強い曲が多い。37歳になると再び身体をこわしサンドともけんかをして別れて39歳でこの世を去る。
彼の遺言には、身体はパリに埋めてもらいたいが心臓はポーランドに埋めて欲しい、と書いてあった。3歳の時にピアノを教えてくれたお姉さんが死に間に合って心臓を金の壷に入れて持ち帰った。ワルシャワの教会の柱に埋め込まれているが、そこには「ショパンの魂はここに眠る」と書かれている。戻ることは出来なかったけれど、彼は友人に約束したように「音楽でポーランドと行く国があると言うことを世界の人に知らせて」くれている。
最後に、英雄ポロネーズを弾いて終わりにします
M6 英雄ポロネーズ

アンコール M 子犬のワルツ

終了

いわきの田村綠(小学校) [ピアノ]

いわきでは昨年学校の先生の研修に田村緑さんを呼んでアウトリーチ事業のプレゼンをしたうえで今年は田村さんにアウトリーチ等の活動をお願いした。これはスイミーが入って最後がトルコ行進曲のAバージョン。最終の11月27日の大ホールでのコンサートは、お客が自分の一番気にいいった席(場所)を探すという、ワークショップ付きのようなコンサート。
アウトリーチとコンサートを結び付けていくのはなかなか難しくて、集客という功利的な意味だけ考えるのであればそれほど急激な変化を期待することが出来ないけれども、演奏家と地域や会館とのつきあい方として、いろいろな効果があると考えている。やはり人間的なつきあい以外に芸術や文化を植えていく作業は出来ないのだろうと思う。江名小学校は小名浜のみなとのそばで、山や町の方とは子どもの性格もずいぶんと違っているという話だったけれど、確かに物怖じしない元気さはひとつ間違うと混乱する危うさをはらんでいるかもしれないと思った。まあ、田村さんなら大丈夫と言う安心感もあるのだけれど・・・

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2010年11月16日(火)  10:30-11:15
いわき市 江名小学校 2年生19名
ピアノ 田村綠

主催者挨拶、子どもが呼ぶ
入場
ピアノを弾く人は?(ピアニスト)そう、ピアニストの田村綠です。昨日電車にのってきました。みんなに会うのを楽しみに来た。短い時間ですが楽しんでくつろいで聴いてください(くつ?)
オープニング。みんなが知っている曲だと想う。どんな音がするか耳をダンボにして聴いてみてください
M1 きらきら星()
聴いたことある人(全員)何の曲?(きらきら星、ABCの歌)総、同じメロディ<弾く>だけれど言葉は別についている。でもずっと前にあって最初は「私のボーイフレンドのことをママに聞いてもらう」という言葉がついていてみんなに歌われていた。替え歌になって繋がれていく
次は、くるみ割り人形(あった)お。目が良いですね。これはワリオ君。クルミ割り人形です。どこで割る?(包丁、サーベル、口)総、どうやるか<見せる>。誰か手を入れてみて<指をくわえて挟む>
くるみ割り人形は物語だって知ってる?(しってる)。主人公はクララ(そう、ネズミが来て・・・)この曲はクララが人形をドロッセルマイヤー博士からもらって喜んでパーティの中で行進をする。
ではチャイコフスキーのくるみ割り人形より 行進曲
M2 くるみ割り人形 行進曲
みんな拍手の仕方が良いですね。コンサートでは音がしているときは良く聞く。でも終わったら「良かったな」と拍手でその思いを伝える。拍手の仕方は、大きく、細かく、長くすると演奏者も嬉しい。
さて、次はピアノのひみつのコーナー。みんなの身近にあるピアノだけれどそのひみつを知ってもらいたい。
今日はいつもと何か違う。何だろう(上がない)そう大屋根はどこ?(うしろ)
ではピアノの部品はいくつから出来ているでしょうか?3つから選んで・・・約500個、8000個、20000個。
正解は8000個。では近くから見てもらおうと思う野でピアノの周りに集まって。小さい子から先に。<集める>
大屋根はこう斜めにあって、それをこの突き上げ棒で支える。音は上にあがって大屋根にあたって前に飛んでいく。木の枠があって金属のフレームがある。頑丈です。こっちは低い音でだんだん高くなる<弾く>でも弾くところの動きは見えないのでこういうものを持ってきた<カットモデルを出す>(みたことある)鍵盤を取り出したもの。鍵盤がこれ、これを押すとこうやって音が出る。どこにあたって音がしてるかな(弦にハンマーを当てる)でもあたっている瞬間は見えないあんまり早いので見えない(あ、見えた)大体3/1000秒くらいしかあたっていない。ハンマーが弦にあたって弦が震える。ハンマーの先は何かの動物で出来てる。何だろう?(シマウマ、くま、羊)正解、羊の毛をぎゅっと固めて作る。堅いけれども表面は柔らかいので、強くたたくと大きい音が、そっとたたくと柔らかい音が出る。音は震えると出るけれど、みんなの土に手を当ててアー。そう、震えている、弦も震えているこの紙を置くと・・・<弦の上に紙>震える。その震える力は弦の下に伝わってこの板に伝わる.これは魔法の板。その威力を実験する。これは?(オルゴール)オルゴールを板にのせると・・・(おー)。このように大きくなる。この魔法の板は響板という。
では響板の音が一番良く聞こえるのは・・・? ピアノのしたです。では交代で下に潜って響板に触ってください<交代で潜らせて演奏する>
どうだった?(震えてる)
はい、みんな席に戻って。
では、ピアノの部品の数は?(8000)ハンマーは何で出来てる(羊)魔法の板は(響板)それだけわかればピアノ博士。家に帰ったらお母さんに質問してみて・・・
次はなんて書いてある?(スイミー)では、絵本と一緒にやってみます。読んでくれるのは前田さんです。良かったら、大きく、長く早く拍手をお願いします。
M3 絵本スイミーとドビュッシ-の前奏曲
拍手
ありがとうございました。では最後は?(トルコ行進曲)
せっかくなのでみんなにも参加してもらいたい。手をたたく。こんなリズム<やってみる>。これが3回出てくる。今日は、行進が遠くからだんだん近くなるようにしたいのだけれど、どうすればいいかな?(小さくから大きく)そう、だんだん大きくしていく。はじめは?(たたく)そうそのくらい、2回目は(たたく)3回目(たたく)そう、そんな感じでやってみよう。見本にアリオスの人たちに手伝ってもらう。
M4 トルコ行進曲
ハイありがとうございました。手はどうなった?(痛い、赤い)
では民内もう一回拍手
先生
お礼の言葉
終了

少女が花畑で歌っている。美少女。
みんなも小さいときのことを思い出して
M2 亜麻色の髪の乙女
3歳の子を教えたことがあるけれども、声よりも高い音が好きな子どもも多い。逆に低い音は怖がるみたい。こんなかんじ<弾く>
言葉をおぼえはじめる子どもは聞き慣れない音に怖がるけれど小さな子は逆に楽しむことが出来る。大人は現代音楽は・・・だけれどゼロ歳の子にこういうのはどうかな、と思って弾いてみる。ガウチョはカウボーイのこと。
M3 やくざなガウチョの踊り
<2,3歳の子どもに>どうだった?。幼稚園児に弾くと泣いてしまうことがある。みんな泣かなくてすごいね。
次の曲にはお話がある。セレナードは彼女のところに行って愛の歌を歌う。ギターを持って歌い始めると、いろいろなことがおこったり、人が来たりと遮られてしまう。さて結果はどうなる?
M4 遮られたセレナード
絵本のある図書館なので、今日は絵本と朗読を組み合わせて聴いてもらいたい。
荒井真澄さんと一緒に「どうぞのイス」というのを見てもらう
M5 絵本「どうぞのイス」
私の地元は宜野湾市。大事なもの。思い出とか・・・沖縄県とかピアノとかをもっともっと大事にしたい。芭蕉布と言うのを紹介したい。沖縄の自然や海を歌った曲。その奥には故郷を想う気持ちがあると思う。
M6 芭蕉布
沖縄では1歳のお祝いに親戚が集まってイベントをする。ごはん、おかね、筆、そろばん、家によってはリコーダーとか野球帽とかを並べて、子どもがどこに行くかで未来を占う。
私の場合、父はお金に行って欲しかったらしいけれど、はじめ動かなかったらしい。母が卵ボールを持って読んだらリコーダーに行った。
命の薬になるように・・・愛を感じながら弾かせてもらっている。
最後に戦場のピアニストで有名になったノクターンを
M7 ノクターン 遺作

新崎誠美さん 絵本デビュー企画での話(図書館) [ピアノ]

塩竃市は今年から絵本デビューで7ヶ月検診時に絵本を配布する今年にしている。今年度に生まれた子なので配布はちょうど11月から。その開始に向けてのイベントになった。図書館の方に聞くと、全国規模で運動として行われている「ブックスタート」という活動と基本思想は同じだけれども、東京ではじめられ、東京でコントロールして全国均質のレヴェルを目指しているブックスタートは、確かに質は高いし本の割り引きなども大きくメリットはあるのだけれど、地元の本屋さんとタイアップが難しいとか言うこともあり独自でやっているそうだ。その分いろいろと自力で出来る範囲で工夫をしていると言っていた。似たようなことが他のジャンルでもありそうだ。文化というものはなかなか難しいものである。このブログのために清書しているといろいろと気づくことがある。新崎さんの話は親子に向けてのメッセージ性も意識していてなかなかだと思う。シェープアップしていけば必ず良くなるはずだ。

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2010年11月12日(金) 
塩竃市 絵本デビューコンサート(塩竃市図書館)
親子約40人
ピアノ 新崎誠美

主催者挨拶
入場
あいさつ。
沖縄と宮城 はじめての訪問
子どもにいろいろな音を、両親の方にはリラックスして聴いているのを子どもに感じて欲しい。
M1 子犬のワルツ
みんなはゼロ歳、あなたは・・・
少女が花畑で歌っている。美少女。
みんなも小さいときのことを思い出して
M2 亜麻色の髪の乙女
3歳の子を教えたことがあるけれども、声よりも高い音が好きな子どもも多い。逆に低い音は怖がるみたい。こんなかんじ<弾く>
言葉をおぼえはじめる子どもは聞き慣れない音に怖がるけれど小さな子は逆に楽しむことが出来る。大人は現代音楽は・・・だけれどゼロ歳の子にこういうのはどうかな、と思って弾いてみる。ガウチョはカウボーイのこと。
M3 やくざなガウチョの踊り
<2,3歳の子どもに>どうだった?。幼稚園児に弾くと泣いてしまうことがある。みんな泣かなくてすごいね。
次の曲にはお話がある。セレナードは彼女のところに行って愛の歌を歌う。ギターを持って歌い始めると、いろいろなことがおこったり、人が来たりと遮られてしまう。さて結果はどうなる?
M4 遮られたセレナード
絵本のある図書館なので、今日は絵本と朗読を組み合わせて聴いてもらいたい。
荒井真澄さんと一緒に「どうぞのイス」というのを見てもらう
M5 絵本「どうぞのイス」
私の地元は宜野湾市。大事なもの。思い出とか・・・沖縄県とかピアノとかをもっともっと大事にしたい。芭蕉布と言うのを紹介したい。沖縄の自然や海を歌った曲。その奥には故郷を想う気持ちがあると思う。
M6 芭蕉布
沖縄では1歳のお祝いに親戚が集まってイベントをする。ごはん、おかね、筆、そろばん、家によってはリコーダーとか野球帽とかを並べて、子どもがどこに行くかで未来を占う。
私の場合、父はお金に行って欲しかったらしいけれど、はじめ動かなかったらしい。母が卵ボールを持って読んだらリコーダーに行った。
命の薬になるように・・・愛を感じながら弾かせてもらっている。
最後に戦場のピアニストで有名になったノクターンを
M7 ノクターン 遺作

おんかつ塩竃 新崎誠美さんの離島アウトリーチ [ピアノ]

浦戸は松島湾に浮かぶ多くの島の中でただ4つある人が住む島。と言っても4つ合わせてもそれほどの言えはなく、小中学生を合わせても20名も居ない(他の島からは渡し船で通っている)。ただ、この小中一貫校は校区外の子どもも受け入れることにしていて、塩竃市内だけでなく半数以上の子どもたちが島外から来ている。教育方針も先生が手をかけて小中一貫校の利点を活かした事を考えているようだ。下見の時の先生の反応や校長先生の雰囲気が良かったので楽しみに出かけた。新崎さんにとってはおんかつ初めての、その第1回目のアウトリーチがこの学校で良かったと思う。
見に来ていたE顧問が「初々しいね」と言っていたとおりだと思うけれども、新崎さんは可能性が豊かに感じるひとだ。まだ言葉足らずな感じもあるが、いろいろとやりたいこと言いたいことがあるみたいで、それがうまく活かせれば面白いものになっていくと思う。

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2010年11月11日(木) 午前中 45分間
新崎誠美(ピアノ)
塩竃市浦戸第2小学校&浦戸中学校  30数名 音楽室の広間

先生
おはようございます(おはようございます)私は日本の一番南・・・わかる?(沖縄)そう、沖縄から来ました。宮城県に来るのは生まれて初めてですが、すごくきれいな風景。沖縄もきれいだけれど違った美しさがあると思います。沖縄では自然がきれいなところには、キジムナという妖精が住んでいて、そこの人たちは才能が豊かだといわれています。ここにもキジムナがいるとおもいました。
今日は音楽って楽しいなと思う時間にしたいと思うのでよろしくお願いします。(よろしく)
最初の曲はショパンの子犬のワルツ。ショパンは生きていたら今年200歳になります。子犬が自分のしっぽを見つけて追いかける、くるくると回る様子を表しています。
M1 子犬のワルツ
さて、このピアノという楽器。鍵盤の数はいくつあると思いますか?80,88,90.80だと思う人<と3択にする>正解は88.だから88個の高さの音が出ます。みんなの持っているリコーダー、ソプラノリコーダーは大体このあたりの音<弾く>、ヴァイオリンもこんなあたり。88種類の音が出るのは楽器の中ではピアノしかない。だから1台でオーケストラの役割もできてしまいます。オーケストラはわかる?<写真を見せる>こんな感じにたくさんの人はいろいろな楽器で演奏するのがオーケストラ。
次にこのピアノの恥から恥までを使って弾く曲を演奏します。ドビュッシーという作曲家は風景や感じを音にするのが得意な作曲家でした。西風というのは台風みたいなもの。嵐の様子が3分間に詰まっている。聞いてみてください
M2 西風が見たもの
私は小さいときに、ピアニストか指揮者になりたかった。ここで少し指揮者体験をさせてもらおうと思います。みんなには体を使って音を出してもらいます。右側の人は足を踏み鳴らす。左の人は膝を叩く。合図をするので大きくしたり小さくしたりやってみてください。<指揮をする>…じゃあ、今度はだれかやってみる?<…>じゃああてる<6年生を指名>では彼がマエストロになるのでやってください(子どもの指揮でたたく)。
音を出すときに集中してもらったけれど、今度は音のないのを聞いてもらいたい。静かにすると聞こえてくる音がある。一番遠い音、近い音を聞いてみてほしいと思います。
では30秒間…はい目をつぶる。<30秒>。はい目を開けて。結構静かだったね。大きな音は…誰かが咳きをした。遠い音は…(風がさらさら)船の音もしたね(した)。小さな音は…(椅子の音)ゆうきくんの息の音がした。自分の呼吸の音も聞こえたかもしれない。他委は?(おなかが鳴った、耳鳴りがした)私は自分の心臓の音が聞こえた。さっきからドキドキしていてそういうのを感じた。音楽の拍というのはもとは脈拍からきている。音楽の始まりは心臓から…そういうのを全部が音楽だと思って次の森の静けさという曲絵を聞いてみてください。新しい発見があるかもしれない
M3 森の静けさ
一所懸命聞いてくれてありがとうございました。演奏する人はみんなのことを見えていないように思うだろうけれども、見えている。みんなの呼吸とかを感じながら演奏しています。それで自分も一所懸命になれる。それを私は「幸せの輪」と言っているのですが、今日は幸せでした。最後に感謝の気持ちを込めて愛の夢という曲を演奏します
M4 愛の夢

先生
感想
終了

広島、志鷹美紗(ピアノ)さんのアウトリーチ [ピアノ]

志鷹美紗さんは桐朋を出て今ベルリンに留学している。ちょうど先生が日本に来ていてしばらく見て貰えないので帰国していると言っていた。ちょうど大学も休みでもあるね。比較的力のあるピアニストだと思うけれども、アウトリーチもやってみたいと思っていてこの講座を受けたと言っていた。呉から熱心に通ってきていた。

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2010年9月8日(木) 4時間目
志鷹美紗(ピアノ)
船越小学校5年2組 約30名

先生の話し
入場
M1 ショパン:ワルツ第5番
こんにちは(こんにちは)
私は今ドイツでピアノの勉強をしている志鷹美紗と言います。響はみんなと一緒に音楽を楽しみたい。
今の曲は誰が作ったと思います?(ベートーヴェン、バッハ、モーツアルト・・・)じゃあこんな曲は聴いたことあるかな<子犬のワルツの冒頭> (・・・)
この曲はショパンの子犬のワルツ。これはワルツの第6番。
ところで、みんなは何歳?(10,11・・)。ショパンは今生きていたら何歳だと思います?(100歳、1000歳・・・)ちょうど200歳になる。1810年にドイツの隣の国のポーランドで生まれた。今年は200年と言うことでおめでたい年である
次にドイツで生まれたシューマン。彼も今年200歳になる。同級生でもあり仲の良い人だった。そのシューマンにアラベスクという曲がある。唐草模様。アラベスクって何だろう?これは家のおばあちゃんのタンスから持ってきた<唐草模様の風呂敷>。日本の風呂敷でこれは日本の唐草模様。それからこっちの写真はインドのタージマハールの唐草模様。じゃあこれは?これはシューマンが書いた唐草模様。音符で書いた唐草模様。
シューマンはこのように音符を使って遊ぶのが好きだった。くるくるとしたメロディ<弾く>が絡まって音楽になってゆく。この唐草模様が聞こえると思う。
M2 シューマン:アラベスク
ここからはピアノがどのように音を出し鳴るのかをみんなに知ってもらいたいと思います。
ピアノの模型をヤマハから借りてきた。これは鍵盤一本分。これが鍵盤。もう一つも同じで、立てに弦が張ってある。どんな動きをするか見ていてください<たたく>
ピアノは鍵盤を押さえるとハンマーとダンパーが上がって弦を売って音が出る。この部屋のピアノはどっち?右だと思う人?左?そう、もう一つはあっプアライトですね。
打つ言っても、たとえばこういう曲<モシュコフスキーの火花を弾く>を弾きたいとき、小さくて早い。こういう音で弾きたいときにどっちが弾きやすいか、やってみたい人?
<何人か、小さく早く連打をたたく>どっちが打ちやすかったかな
ピアニストにとってはタッチが違ってグランドピアノの方が弾きやすい。
次にみんなピアノの中を見て貰いたい。(集まる)
模型はこうやってピアノの中に入っていて弦をたたく。でもピアノはここにある響板というのが一番大事なもの。このオルゴールで実験してみる<実験>
ではここで一曲
M3 トッカータ
みんなは夢を持っていますか。聞いてみようかな?(サッカー、野球・・・)私はピアニストになりたいというのが夢だった。だからベルリンで勉強をしている。言葉も食べ物も違うし、寒いしで大変だったけれど、大きな夢を持っていたので、このくらいの夢が叶った。
だからみんなにも大きな夢を持って貰いたい。私が11歳の頃は算数が苦手で塾に行っていた。中学校では吹奏楽でホルンを吹いていた。中2の時にウクライナに行ってほろビッツ記念のコンクールに出た。そのときの大きな空tか地平線の見える大地とかも印象的だったけれど、世界各地から集まってくる人たちとであって本格的に勉強をする気になった。
ショパンもポーランドから作曲家になろうとしてパリに行ってこのバラードを書いた。バラードは物語という意味がある。この曲を弾いているとそんなことを感じます。みんなも11年分の物語を思いながら聞いてくください
M4 バラード1番
お礼の言葉
終了

斉藤美紀のショパン(熊本、2009年秋) [ピアノ]

斉藤美紀さんはポーランドへの留学から帰ってきたときにこのオーディションがあって受けたのだけれど、演奏に関してはとてもきちんとしていて、それをどのように言葉にしていくか・・というのが課題だった。実際に行ったところでの経験は子どもに対しての訴求力も大きいので、それを活かした構成。
もっと踏み込むといろいろな可能性はあるには違いないけれども、まず第一の基本は、演奏家は自分の大事にしているものをちゃんと子どもに伝えていけばいいのだと思う。ただその技法を身につけないとうまくいかないので、いろいろなテクニックを覚えて行くことが(音楽の勉強と同じように)大事。それと自分の心にどう踏み込んでいくか。別に露悪的になる必要はないけれども、江村哲二が行っていたように、やはり表現というのは身を削ることでもある。自分の心に踏み込むことの痛みを通り過ぎないといけない。
あ、この話は別に斉藤さんに宛てたものではなく一般論であります。

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2009年10月21日 15:15-16:00
熊本県あさぎり町上小学校5年40名
斉藤美紀(Pf)

先生挨拶~呼び込み 
こんにちは
M1 ノクターン
上小学校5年生のの皆さん、こんにちは。私は斉藤美紀と言います。
今日は私が留学していたポーランドの作曲家ショパンとショパンの曲を紹介していきたいと思います
ショパンは何人?(はい、フランス)うん、半分当たっている。お父さんはフランス人お母さんはポーランド人だった。ポーランドってどこかな?<地図で示す>日本からなら12時間くらい飛行機でかかる。ドイツとロシアという二つの強い国に挟まれている。
ショパンは何年くらい前の人?(180年)実は来年でちょうど生まれて200年になる。
若いこと彼は幸せな生活をしていた。優しい感じの人だったらしい。ピアノが上手で作曲もしていた。20歳の時にフランスに留学することにした。でもちょうどドイツに来たときニュースが入ってきて、ポーランドがドイツとロシアに占領されてしまった。革命を起こそうとしていたのが失敗してポーランドという国が無くなる。自分の国が無くなったらどう思うかな・・・
そのときに書いた、とても激しい曲、革命のエチュードを弾きます
M2 革命
聴く前とあとで印象が変わった人?、どうだった?(左手がたくさん動いた)(鳥肌が立つくらいすごい曲だと思った)
そのときの感情が今でも伝わるってすごいことだと思う。
ショパンはそんなことも乗り越えてパリに着く。パリでは貴族の家のホールでピアノを教えたり弾いたりしていた。きれいな曲が多かったのでみんなに喜ばれた。
次に弾くエオリアンハープ。ハープって聴いたことある?春の風がハープを奏でる優雅な感じの曲です。
M3 エオリアンハ-―プ
ポーランドは一年の半分くらいは冬で薄暗い感じがする。それで春へのあこがれが強い。
パリでは一人で生活をしていたけれども、ジョルジュ・サンドと激しい恋に落ちた。
みんなは失恋とか悲しい思いをしたことがあるかな?。私はポーランドに留学してのだけれど、一人で、マイナス30度とかの寒くてくらく、寂しい思いをしたときにこの曲が浮かんできた。それでショパンの気持ちもわかったような気がした。夜の道をとぼとぼと歩いているようなイメージ。ではその曲を弾くのであとで感想を聞かせて・・
M4 ノクターン
何か思いが浮かんだ人?(どんどん暗闇にむかっている感じ。いくつか)
そう、これは彼が死ぬ1年前の曲。彼は死ぬまで故郷に帰れなかったけれど、ショパンの心の中には常にふるさとのポーランドのことがあった。「心臓だけはポーランドに残してくれ」と遺言した。墓はパリで良い心臓だけは・・今も心臓はポーランドにある。彼の国への感情を感じて貰えたかと思う。
最後の曲は幻想即興曲。いろいろな思いが詰まっている華やかな曲で終わりたい。
M5 幻想即興曲

お礼の言葉

仲道郁代のアウトリーチ [ピアノ]

仲道さんは学校はあんまりやっていないと言っていたけれども、内容だけでなく話し方などは本当に聴き手を引き込むのが上手い。それがとても自然な言い方だから不思議である。
でも確固たる自信があるのだろう。こういうブレのなさはすごいと思う。
下記を見ての通り、最後に2曲本気で聴いてもらう他はワークショップのようにいろいろな心の体験を下もらう方向で進行していて、おもいのほか徹底しているな、と感心した。

IMG_1121.jpg2010年6月7日 10:45-11:45

尾道市高須小学校音楽室  6年生96名
仲道郁代(ピアノ)

先生
入場
おはようございます(おはようございます)
今日はみんなの前でピアノの面白さを知って貰えないかな、と思って楽しみにやってきました。
まず後ろを向いてください。今日の演奏は後ろにいる大人の人たちが努力してくださったので実現しました。ありがとうと言いましょう(ありがとうございます)
目を少し上げると,肖像画があります。みんな怖そうな顔をしている。
今年は、上の方にあるショパンが生まれてから200年。200-300年も前の人の曲をすてきだなと思って聴くのだけれど不思議です。みんな生きていたのですね。リストは若い頃はハンサムで今ならばあらしとかスマップとか(えー)と一緒で追っかけがいて、聴いて気絶しちゃったりしていた。
もっと古い人たちはおもしろい髪型でしょう。あれは・・・(カツラ)よく知っているね。ぼさぼさのベートーヴェンは自分の髪。当時はカツラをかぶらないと王様の前とかに出ることが出来なかった。今の制服みたいな感じ。中はどうなっているのかは判らない・・・(ない)
さて、まずモーツアルトのきらきら星を弾こうと思う。今日のテーマは「音を見たり触ったりすること」。
まず見てみよう。この曲は変奏曲といって,たとえばモーツアルトと他のピアニストがピアニスト対決みたいになってやっていたと考える。誰かがテーマを出す<弾く>。このテーマを様々に変奏して上手い方が勝ち・・・みたいなイメージで聴いてみて。
まずコロコロと弾いてみよう<弾く>、次は左手が早く動く<弾く>、今度は3連符にしてうきうきしているように,右手は上がったり降りたりする弾く<弾く>低いところで空気がどう動いているか<弾く>今度は此処の上で音のポップコーンにみたいにはねる<弾く>。どう見えてきたかな・・・.まだ見えない人もいる?(数人)
今度は登って降りる<弾く>でもいつも楽しいばかりでは寂しく<弾く>ピアニスト対決だからかっこよく弾かないと・・・<弾く>,おばさまのような人が聴いているときれいな音がうれしい<弾く>私は景色の遠くまで来てその拡がりのように弾く<弾く>一番最後は華やかに終わります。<弾く>
今度は少し手伝って・・・。やってくれる人。はい、あなた。ではピアノに座って・・・。
じゃあ、ピアノでホームランを打ってみて・・・(こどもこまる)(がんばれーの声がかかる)
(弾く)今のはちょっとホームランと言うよりも(バント,ファール)じゃあもう一回、後ろの壁に届くように(弾く)
では次の人、ではあちらの大ちゃんに音を打って(やってみる)キャッチ(とる)。
私もやってみる、<弾く>今のは転がっただけ。今度は窓の外に飛ばす<弾く>(おーっ)
どう?、音が見えてきたかな。
では次に色を感じてほしい
M こぎつね を弾く
何色?(水色、青、白、水が凍ったときの中の白・・・)
じゃあ、氷が凍ったと言うことはどんな・・(冷たい)そう、温度もある。
もう一度弾く、堅いか柔らかいか
M こぎつね
何かある人(つるつるしてる)どんなつるつる?(石をさわってるかんじ)ほかにあるかな(ふわふわの綿、軽い石、雪みたい)とけたような感じかな・・・
作曲の人はこの曲に「こぎつね」ってつけたのだけれど、皆はどう思っても良い。でももし狐ならば,今どんな気持ちだろう
M こぎつね
(お母さんがいなくて寂しい、友達がいない、ひとりぼっち・・・)
別のシチュエーションでは?(凍え死にそう、恋してる)
そのあとはどうなるんだろう。
では次に、竜という曲がある
Mりゅう
今度はみんなが私にこんな感じの竜の状態、というのを言ってみて(黄色で弾んでいる)良いですね、でももう少し足して見て・・(子供たちが遊んでいる)もうすこし・・・(何かに追われて逃げている)ちょっと両立しないね(鬼ごっこ)
じゃあやってみる
Mりゅう
どうだったかな。ほかには・・(大人の竜でスマートでかわいい)じゃあやってみよう
Mりゅう
さっきとちがった? ちがったと思うけれどそれで良いのです.違いがわかることは大事。違いのわかる子供になろう
さて、此処でこの人を紹介する。この人はピアノの調律をしている人です。蘇我さんと言います。ピアノは猫が乗っても音が出る,押せば弾けるものだけれど・・・。このピアノのばらしてみる。(えー)<蘇我さん、つぎつぎに分解していって、アクションを引っ張り出す(あー)。見えてるかな。じゃあ、君と君と君。前に出てこの鍵盤を押してみて。はいみんなに見えるようにね。(それぞれ鍵盤を押す)
押すとこれが上がって弦をたたく。だからピアノは打楽器。この白いところはハンマーで何で出来てる?(わた)・・・これは羊の毛、フェルトでできている。ではこの鍵盤の数は?(しらない)88。弦は?・・・(・・・)大体230本.だから調律の人は大体230本の音を合わせる大変な仕事。じゃあ鍵盤はどのくらいの高さを動かすか(2センチ、1.5センチ・・・)1センチです。その重さは?(1グラム、2グラム・・・・)大体50グラムくらい。食べ物ならば何だろう?(・・・・)卵くらいの重さ。
この弦だけど・・聴力って習ったかな(習ってない)そうか、弦も引っ張られていて、この一本の弦にどのくらいの人がぶら下がっている?。一つの弦に70-80キロくらい。ということは全部では大体20トンくらいの力がかかっていることになる。大体像くらいかな。だから、弦が切れたときに,この辺に立っていると刺さって命の保証がない。
ではピアノの音の大きさを聴いてもらう。8人くらい前に出てきて。そばで聴いて。<弾く>どう?(大きい)ピアノはどこで聴くのが音が大きいかな?(上、下)
そうしたが大きい。潜ってみて・・・。下に響板というのがあって.そこに響いて音になる。それが屋根に反射して前におとがでる。でもピアノがいくら好きでもピアノの下に寝てはダメ。自信があったらあぶない。
さて仕組みを見てもらった。でもわずか1センチ、50グラムくらいのことだけれどいろいろと音が変わる。それって楽しいこと。
ではこんどは心の耳でノクターン,夜に想うと書く,を聴いてみてください。心の耳がないと聞きそびれてしまう。
M ノクターン
何か見えたり聞こえたりしたかな。さっき、こぎつねやりゅうを聴いてもらったけれど、先生に頼んで、音楽を聴いて絵を描いて、それでお話を作ってもらいたいとお願いしてある。CDを送るので、やってみてください。
最後にショパンの「英雄ポロネーズ」を聴いてもらいたい。ショパンは今年うまれて200年。私が今中2の子供が小学生の時に一緒にポーランドを旅したのをまたNHKが再放送するので,見つけたら見てみてもらえるとうれしい。
ポーランドはショパンの頃、ショパンが生まれたときも死んだときも地図にない国だった。他の国が攻めてきて、占領されてポーランドという国はなくなっていた。みんなは取り返したいと思っていた。ショパンは音楽の才能があったので外国に出て作品を書くようにいわれて20歳の時からずっと外国にいた。両親とも友達とも会えない。それでなくなる前に心臓だけはポーランドに・・と言った。今心臓はワルシャワの教会の中にある。お墓はパリだけれど。
ポロネーズはポーランド風という意味だけれど、戦争に出かけるときとかに更新しながら踊る曲だった。だから楽しいのではない。この曲にはショパンの気持ちがたくさん入っていて、今聴いても,勇気や・・・・/などが貰える。
途中で蒸気機関車のような音が出てくる。ちょうど蒸気機関車が出来た頃で,帰りたい気持ちが込められているかもしれない。
M 英雄ポロネーズ

花束、お礼の言葉
お礼の合唱
終了

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